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真っ暗な部屋、
天井を眺めていた。
有線で懐かしい曲が流れてた。
プルルルル……
プルルルル……
プルルルル……
隣で眠る女の頭を振り落として、受話器に腕を伸ばした。
プルルル……ガチャ
『おはようございます。
フロントです。
モーニングコールのお時間ですよ』
「あ…ども……
30分後に一人出ます…
タクシーを…」
ガチャ…
電話を切って、また天井を眺めた。
明け方の空気に記憶が蘇る…
はたして記憶といえるのか、
あいまいな時間の面影…
はっきりしてるのは、ただひとつ
あの時から、僕の時間は止まった…こと……
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