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ずっと苦しくて我慢してたゅぅ(私、徳永優)が離婚話を切り出したのは気持ちとは裏腹な晴天の冬でした。
それはあっけなくも夫の一言で片付きました。
「何が原因?」などとお決まりの話し合いをしたけれど、この時の夫の心境は「正直ほっとした、肩の荷が下りた」とゆうものだったらしい。
愛されてるのをいい事に、この頃のあたしは好き放題していたのだ。
主婦兼、ホステスという勝手な肩書きの名の通り、アフターと言っては朝帰りを繰り返し、時には枕営業(客と寝て客を引っ張る)なんかもしてたりした。本営(本命の恋人のふりをして営業する)もいくつかあったな。
とにかく荒んでた生活だった。
時には本気で人を好きになったりした。
その時ふと思ったんだ。やっぱりこのままこの人と添い遂げるのは無理だと…。本気で愛せる人がもしかして他にいるんじゃないだろうかと…。
夫の為に苦手な姑や小舅と上手く付き合ってきた。嫌みも水商売で馴らした腕でスルーしてきた。
でも我慢の限界だった。
本気で愛せない相手の為に作り笑いや自虐ネタをする事のばかばかしさに、相手を立てる為の努力も何もかも疲れていた。
小言をゆっても夫はスルー。いわゆる事無かれ主義な夫は姑や小姑の前でもあたしを守ってくれなかった。へらへら笑ってスルー。
もう疲れた。お互いがそう思っていた。
だから離婚を切り出してからはあっけないくらいあっさりと離婚届けが提出された。
身軽になったあたしはそれでも家族として夫を愛していたので友達のように戻れた。
あぁこんなもんか、と思う気持ちと、自由を手に入れた気持ちでふわふわしていた。
その時、あたしには彼氏がいた。自由になったらその彼氏まで少しずつ疎ましくなっていた。
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