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バタンと大きな音をさせて、扉が開いた。
「一夜!」
クリスの声が、耳を劈く。
一夜は身を起こし、振り返ると、息せき切らしたクリスが立っていた。
「すげぇ。スーパーマン?」
「何を言っている」
クリスは、ふんっと鼻息荒く、一夜の傍に寄ってきて、威圧的に見下ろしてきた。
「呼んだだろう?」
ふわりと抱きしめられながら、耳に優しく紡がれる言葉に、
「・・・・・・・・・うん」
真っ赤になって、それでも、握り締めたクリスの服を離そうとはせず、一夜は俯いた。
包まれた温もりが、優しく胸に染み入る。
クリスの胸に鼻をすりつけ、匂いをかぐと、ひやりとした感触とともに、森の匂いがした。
一夜の身体を抱きしめていた掌が、優しく身体をなでる。
おでこに触れる、柔らかい感触に、一夜は自然と上を見上げた。
深い蒼の瞳を目に収めると、そのまま瞳を閉じて落ちてくる感触に酔う。
触れるだけだった唇から、舌が伸び、一夜の唇を促す。
少し隙間を空けると、するりと中へ滑り込んできた。
「ふっ・・・・んっんっ」
必死にクリスの舌を追っていると、クリスの手が不埒に動き始めた。
「!・・・・ちょっ」
顔を背けることで、クリスの口付けから逃れると抗議の声をあげる。
けれど、追ってきた唇に再び捕らえられ、抗議は無に帰した。
どさりと音を立てて、ベッドに横たえられ、もうどうにでもなれとばかりに、一夜はクリスの首に腕を回す。
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