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「一夜」
何かをこらえるように眉をしかめ、ゆっくりと瞼があがっていく。その瞳をしっかりと見つめて言葉にする。
「お前は、私のものだ。私の生在る限り」
「!」
何度でも、求めるなら答えよう。
たとえ、来世などなくても、その魂は渡さない。
一瞬目を見張った一夜は、泣き笑いのような表情を浮かべ、目の前の身体に抱きつき、
「・・・・・絶対離すなよ」
と、クリスの耳に囁いた。
「あぁ」
ニヤリと笑顔を浮かべ、その細い身体を抱きかかえ、手を伸ばす。
行為の続きを促す、不埒な手の動きに気付いた一夜が、クリスの顔を覗き込む。
「けだもの」
「知らなかったのか?」
「っ・・・・」
言い返されて、悔しいと思うより早く、クリスの指が奥へと伸びていった。
「んっ・・・・っふぅ」
侵入する指の動きに、息をつめる。
ゆっくり、ゆっくりと動かされ、一夜自身にも触れてくる。
だんだん一夜の頭が麻痺してきていた。
熱い物が宛がわれ、慎重に入ってくる。
でも、慎重なのは最初だけで。
しばらくすると、箍が切れたかのように動きは激しくなり、一夜の口から漏れる高い声も止まらなくなっていった。
一夜を抱え込むように、動き続けるクリスが、一夜の耳元に唇を寄せた。
「・・・・・」
「っ!!!はっあぁっ」
その言葉に、一夜は身体がぞくりと震え、更に高い声で鳴いた。
幸せで。
たとえ、この後どんな不幸がやってきても。
オレはきっと幸せな生だったと言える。
一夜は目の前の身体に、必死にしがみつき、二人は同時に上り詰めた。
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