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終わりの月が沈み、
星達が冷気に触れて輝きを増す。
外の寒さとは反対に、熱気にこもった部屋で、荒い息を整えた二人は、どさりと寝転がった。
行為の後の脱力感のまま、一夜は窓から見える夜空を見上げ。
「あ、今日って大晦日じゃない?」
「あぁ、あちらではそうみたいだな」
一夜の髪を梳く手を止めず、クリスは答えた。
「あ!でも十二時過ぎてる!ってことはもう正月?」
でも、時間の流れが違うから・・・・などと一夜は唸り始める。
面白そうにその姿を見つめ、頭に浮かんだいたずらを実行しようと一夜を押し倒した。
「な、なんだよ・・・・」
「知らないのか?正月と言ったら、これだろう?」
「だから、なんだよ!」
「姫始めだ」
一夜は、クリスのしたり顔に、思い切り掌をぶつけてやった。
森が、木々が、ざわざわと音を立てる。
木々に囲まれた一軒家では、しばらく一夜の叫びが絶えなかった。
「それは!二日の行事だろ!!」
「お!よく知っているな。まぁ細かいことは気にするな」
「ばかぁぁぁぁぁ!!」
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