墓場

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  つい最近やっと自分の全世の名前を思い出した 何故だろう   そう言えば神父は薄々俺がヴァンパイアと言う事を 気付いているんじゃ無いだろうか?と でも今迄、神父に人の血を 吸っていた事なんて言っちゃいない。 ましてや血を吸わしてくれ何て事は 絶対言っちゃいけないだろ? 俺はどうすればいいんだ… 大学でも人間の血を吸ってしまった。 少しの血じゃ物足りないと言う気は 薄々感じていた。 日に日にその気持ちが 怒りへと変わって行く。 このままだと俺は下手したら 友達までも殺めてしまうかもしれない。 どうすればいいんだ… 死んでやる…! とナイフを胸に突き刺そうとした時 赤ちゃんの声が耳に入った。 ナイフを木の根元に置き 赤ちゃんの声が聞こえた墓地に向かって 走り出した。 墓地で一際目立つ石碑の前に 何か動いている。 俺はランプを石碑の前に翳した。 赤ちゃんが大きな籠に入れられて 置き去りにされている。 このまま寒空の下で居させる何て 可哀想だ。 俺には今できる事。 それは、この子を助ける事しかないよな。 籠ごと教会へ持ち帰る事にした。        
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