衣野 慎吾

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「彩芽ちゃーん!」 「やっほー!」 「入学おめでとー!制服姿可愛いよー!」 その先輩男子の群集の中には、顔見知りであるお兄ちゃんの友達数人も混ざっている。 異様な光景の中に居た知人にあたしはちょっとだけホッとして、引き攣る笑顔でお兄ちゃんの友人達に向かって軽く右手を振った。 ていうか、何でお兄ちゃんの友達以外までわざわざ教室に来て見るわけ? こういうのちょっと怖いし気持ち悪いんだけど。 「ねえちょっと、何なの?あの先輩達って彩芽の知り合いなの?」 「ん?あ、まあお兄ちゃんの友達と……後は知らない人」 「へえー……何か凄ーい……」 友達もドア口からこっちを見てる大量の先輩達にドン引いちゃってる。 「あれ全員3年の先輩だよな。怖ぇーよ」 「衣野さんと知り合いみたいだけどどういう繋がりなんだ?」 「衣野さんって3年生にもモテモテなんだねー……」 「まあ芸能人より可愛いしね……」 クラスの皆も先輩達達とあたしを交互に見ながらヒソヒソ話してるし、物凄く気まずくて肩身が狭い。
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