小木原 遼

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「で、あたし達はこれからとうする?ラブホ行って妊娠する?」 悪戯な笑みを向けて遼くんを弄ると、彼は真剣な眼であたしを見つめ返す。 「彩芽も衣野も大事だから嫌われるような事はしない」 遼くんはあたしだけじゃなく、お兄ちゃんも大切に思ってくれている。 優しいお兄ちゃんには、優しい友人が集まる。 その優しい友人の中で、高校生のあたしは遼くんに恋をした。 あたしのことが大好きで、お兄ちゃんのことも好きな人。 あたしの為に、そしてお兄ちゃんの為に、あたしの恋人になりたいと誠実にお兄ちゃんに申し出て、お兄ちゃんの了承を誠実に取ってくれるような人。 お兄ちゃんとあたしの兄妹の絆を理解してくれる遼くんを愛してる。 幼稚園の時に付き合った初代ボーイフレンドのタカシを始めに、小学校6年間の間のボーイフレンド。 夏樹、直哉、謙司、浦田くんこと幸成(ゆきなり)。 遼くんの前に交際していた、浩太(こうた)。 恋人関係にはならなかったけど、思い入れのある男友達の秋穂。 彼らと出逢ったから、今の自分が在る。 尻軽バカ女の恋多き半生に無駄な日々は無いと自分では思える。 経験を重ねて成熟度を増していき、その最高値である今現在の自分の隣に遼くんがいるから。
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