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「あ、ごめーん。やっぱ無理ー」
あたしは天使の様ににっこり笑顔で明るく断った。
「えー!? 何でー!?」
「ごめんねー。でも無理ー」
「じゃあいつ行ける!? 明日!? 明後日!?」
目をひん剥いた彼女達の必死な様子で確信した。
「未来永劫無理。あたしをダシにしてお兄ちゃんに近付こうとするような人は一生家に招きません」
飽くまで天使スマイルを崩さずに明るく皮肉を言ってやった。
「お兄ちゃん目当てじゃないって言うならあたしん家じゃなくていいじゃん。友達でもないのに都合良くいきなり家に来ようなんて図々し過ぎ」
天使スマイルを維持したまま彼女達に嫌味を言い、通学鞄を持って颯爽と教室から廊下へ出た。
そんなあたしの後ろ姿を彼女達は放心状態で見つめている。
「……ちょっと何あれ!?」
廊下へ出た直後、背後から喚き声が聞こえた。
「何なの!? 可愛いからって調子乗ってんじゃねーよ」
「アンタなんか衣野先輩の妹じゃなかったら用無しだっての」
やっぱりね。
顔付きや喋り方で判ったけど、本当に嫌な女達だわ。
あー、うざっ。
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