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「因みに生徒会長やってます」
「え!? 生徒会長さん!?」
「大した仕事はしてないんだけど一応ね」
浅羽先輩は笑いながら謙遜するけど、さっきのキモい先輩二人組が彼に対して弱腰だったのも頷ける。
あたしは今一度、階段の同じ段に立っている浅羽先輩の顔を見上げる様に眺め入ってみた。
知的で優しい綺麗な顔、透き通るような白肌、清潔感のある艶々な黒髪ショート。
あたしが見上げるほど高い背丈。
胸元に付いた名札の上で生徒会バッジが輝いている。
いや、彼自体が輝いてる。
何せ、あたしはスラッとした長身男子に弱い。
それに加えて優しくて、美形で、声が素敵で、しかも生徒会長だなんて完璧過ぎ。
「今から生徒会あるから俺もう行かなきゃ。じゃあまたね、彩芽ちゃん」
浅羽先輩は例の優しい笑顔であたしに軽く会釈し、スラリと伸びている長い脚で階段を上がって行った。
行っちゃった。
でも、去り際も階段を昇る後ろ姿もスマートで素敵。
あたしは暫くポーッとしていた。
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