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「は!? どういう意味だよ!」
お兄ちゃんは上半身をムクリと起こして食って掛かる。
「ほら、すぐムキになる。そーいうとこがガキなんだよ」
「中1のガキにガキ呼ばわりされたくねぇんだけど!?」
「実際ガキじゃん。浅羽先輩と比べたら超ガキ」
「うるせーペチャパイ!」
どう見ても子供じみてるし、やっぱり蹴飛ばしたいわ。
浅羽先輩ならこんな挑発も微笑みながら上品に流せるだろうに。
あーあ、もっと浅羽先輩と話してみたいなー。
「さ、勉強しよーっと」
浅羽先輩の話が聞けて満足したあたしはベッドから立ち上がり、お兄ちゃんの部屋を出ようとした。
「浅羽は止めとけよ」
背中越しに聞こえて来たお兄ちゃんの真面目な口調でのその台詞で、あたしはドアノブに掛けた手をピタッと止めた。
「へ?」
「あいつは変な噂もあるから止めろ。分かったな」
お兄ちゃんは目を丸くするあたしの顔を見ず、また涅槃像のポーズに戻って真顔でテレビを観ている。
ははーん?
本物の爽やか王子である完璧な同級生を妬んでるんだな。
可愛い所あるじゃん。
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