時間

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嗚呼…歩くたびに時間が過ぎてゆく。 ハルとの別れは避けられない。 そんな事を考えていると、ハルが私に声をかけた。 「寒くない??ちょっと俺薄着だから寒いんだけど…桜井さんは大丈夫??」 「うん。コート着てるし、平気だよ。」 「そっか^^あれ、雨やんでない??」 地下道を抜けると少しお日さまが顔を出していた。 明るくて、でも少し雲がかった空は私の心を映す鏡のようだった。 「なんか、暑い。」 さすがに春のこの気温にロングコートは暑かった。 雨やむのかよ。 思わずツッコミたくなるが、天気予報を見ずに来た私が悪い…orz 「大丈夫??脱げばいいじゃん。」 「手に持つのやだ!!」 と言いながら早速脱ぐ。 やはり荷物になるしロングだから面倒くさい。 「あ、俺あのデパート行きたい!!で、なんか買うw」 「なんかって何だよ^^;」 「うーん…あっ!!」 カタン っとハルがビニール傘を落とす。 「わわ!!」 踏んじゃう!! と思った瞬間… グキッといい音が私の足から聞こえた。 「いっ!?危なっ!!ごめん、踏みそうに…」 もう少しで傘を踏んでしまうところだった… 「大丈夫!?今ひねらなかった??」 ハルにグキッという音は聞こえなかったようだ。 よかった… 「へ、平気!!」 カッコ悪~'д;` ハルは心配性だ。 だが、自分じゃなくて、すぐ他人の心配をする。 「でも…ごめん、俺が傘なんて落とすから」 何言ってるんだか… 「そんなの気にしてどうすんの~」 「えっと…あ、靴屋だ。見たい。」 誤魔化しやがった。 「お客様、どのような靴をお探しですか??」 あ、店員。 私は店員に近づかれるのが苦手だった為、私は黙りこんだ。 「あ~、えっと、ただ靴が欲しいなあって。」 ハルは普通に返事をした。黙らないところが凄いと思う。 「では、今人気なのはこのようなもので…」 それから先は覚えていない。多分考え事をしていたんだと自分で思う。 「あのっ、彼女さんはどう思われますか!?」 え…私?? 少し答えにくい空気が流れる。 「あ、私はそれがいいと思いますっ」 一応答えたけど…ハルはどう思ったんだろうか。 「では、サイズ探して参りますね。」 …。 喋れない。気まずい。 「ごめん、俺なんかの彼女じゃないのに…」 ぇ…そっち?? 「ううん、ビックリしただけだからいいよ^^」 ハルのちょっとした言葉に少しおどろいた。 門限まであと2時間… 何かが変わるかもしれない。
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