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「いやいや、罪人じゃねーし。
俺にはアイル=ジョーカーと言う立派な名前があるんだよ」
俺がそう発すると警棒を持つ警備員の男は口元を緩めた。
「そうだったな。
アイル=ジョーカー、今日が当日だ。このまま真っすぐ走っていけば会場に着く。
さぁ、行け!」
警棒を持つ警備員の男はそれだけを言って敬礼を俺にする。
「ありがとな」
「健闘を祈る」
俺は走りだした。
小さくなっていく警棒を持つ警備員の男の姿を見ることなく会場へ、夢へと走り始める。
読み漁った文献の内容は頭にたたき込んだ。
やるだけのことはやった。
これで落選したら本当に神様から見放されてるよな。
今こそ正念場だ。
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