純白の翼と汚れた旅人

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だが、そんなメシアの参上を心から願う俺の声は残念ながら無情に響くだけ。 しかも、この悲鳴に近い叫び声が更なる悲劇を招いたではないか。 「あそこから声が聞こえたぞ!」 他の追っ手に俺の逃亡中の場所がバレてしまった。 どんだけ響くんだよ俺の声、と思わず自分にツッコミを入れたくなったが、今はそんなことしている場合ではない。 無断入国だろうが何だろうが逃げるのが先決だ。 どうせ入国許可証が必要なのはこの国くらいなんだろうし。 それに国から出れば良いだけの話。 そんなことを思い逃亡を続ける。 「やっと見つけたぞ!不審者め!」 前方から追っ手が現われやがったではないか。 俺は咄嗟(とっさ)に折り返したが後ろにも追っ手がいた。 左右を見たが壁。 牢屋ルート開通の瞬間だった。
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