1493人が本棚に入れています
本棚に追加
/345ページ
その手の文献なんか腐るほど見てきたんだ。
魔力を持つ人間なんざほんの一握り。
全てにそう書いてあった。
「そんなことはないぞ。
俺も魔力を持ってるし、バインダウェイに住む人間はみんな魔力を持ってる」
俺は一瞬だけ唖然とした。
そんな根も葉もないことがこの国には信じられているのかと。
「そうか。でも、俺は魔力なんか持っていない。
それはどういうことなんだ?」
俺が魔力を持っていないことは確実なのだが、今まで見てきた文献がウソならば、俺または他の魔力を持たない人間はなぜ魔力を持っていないかを知りたくなった。
「そんなこと俺にはわからない。
それより尋問を始めるぞ!」
「へーい」
疑問が募るばかりだが俺は反抗することなく渋々承諾すると尋問が始まった。
最初のコメントを投稿しよう!