純白の翼と汚れた旅人

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尋問は割と呆気なく終わり、数日間牢屋にブチ込まれることが確定した。 だが、牢屋に滞在中は無料で飯が食べれるのは願ってもないことだ。 金無くなったら捕まろうかな? そんな、貧乏特有の考えを思い浮べる。 でも、不便だなと思うこともある。 地下であるため夜はよく冷えるので、暖房くらい設置してほしいものだ。 そんな叶うはずのない理想を描きながら、僅かな牢屋生活が始まった。 牢屋に入り二日が経ったときのこと。 ある程度、夜の寒さに慣れだした俺は用意された毛布に包まり蓑虫ごっ……体を温めていた。 その時、牢屋内を巡回する警備員同士の会話が俺の耳に入ってくる。 「あのお嬢様が旅立つらしいぜ」
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