純白の翼と汚れた旅人

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俺に教えてくれると言ってくれたのは何も持たない手ぶらな警備員の男。 「俺たちが話していた少女の名前はミリア=ルルーシュって言うんだ。 少女はな百年に一人だけが持つといわれる大きな純白の神秘の翼、ブランシェールの持ち主なんだ。 それで少女がユグドラシェルで代々ブランシェールを持つ者が行う儀式をするため旅立つってわけ」 まるで台本を読んでいるかのように纏められた台詞に吹きそうになったが、大体の内容は理解できた。 そこに警棒を持つ警備員の男が言葉を繋げるかのように口を開く。 「それで今、少女のお供をする人間を募集してるんだ」 「それって誰でも応募できるのか?」 俺が応募しようと思った理由はとても疾(やま)しいことである。
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