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暗闇の中で乾いた音が鳴り響く……
それを咄嗟に感で避けた後近くの物陰に身を潜め、辺りを伺う。
やはり弾丸は、立っていたその場所にめり込んでいた。
手持ちの獲物は鋼をも打ち砕く事ができるグローブのみ。
銃やナイフ系の武器は一切身に着けていない。
たったこれだけの武装では暗闇に隠れた、しかも遠距離から攻撃してくる相手を倒すのは困難だろう。
しかしここで立ち止まったままでいる訳にもいかず、始めに銃声のした方へ飛び出していく。
すると、案の定銃弾の嵐。
しかも二方向から同時に。
「つっ……!」
ここまで己の第六感に引っ掛からない相手は今まで一人もいなかった。
…敵の中には。
又しても先程とは違う物陰に隠れて様子を伺う。
銃声は止み、夜に相応しいしんとした空気が漂っている。
その時目の端に映った動く影。
咄嗟に動くと、つい一瞬前まで背を預けていた壁が悲惨なことになった。
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