心、音にのせて

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家に帰ると、私はベッドに倒れこんだ。 (あー……誤魔化して来ちゃったな) 『さっき…最後に歌った曲って誰のなんて言う曲?』 『あぁ、あれは………"sei"の"路"って曲だよ』 『sei…聞かない名前だね。まだメジャーデビューしてないの?』 『…多分デビューしないと思うよ』 「しないんじゃなくて、する勇気がないんだよな……」 そう言って枕に顔を埋めると、私はそのまま眠っていった。 ……一枚の楽譜を無くしていた事に気がつかず。 * * * 翌日。 今日は土曜日だったので、朝からあの公園に行く事にした。休日ということで公園には親子連れが目立つ。 そんな中で、私は人気の少ない方に移動し、いつもと同じ様に曲を奏でた。 聞いてくれている人達のリクエストに答えつつも曲を弾いていると、いつの間にかお昼の時間を回っていた。 なので私は楽器を片付けると、近くにあるカフェテラスに入った。 昼時という事で店内・店外共に混雑していたが、運良く外に席を見つけるとそこに座った。 「すいませんお客様、相席して頂いても宜しいでしょうか?」 .
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