序章

2/2
前へ
/549ページ
次へ
最初に感じたのは血の臭い。 次に感じたのはいままで[そこ]にあった命が、じょじょになくなっていく感覚。 紅き大地に少年がいた。 少年は剣を持っていた。剣は細く、少年の身長を越える長さがある剣。少年は無言で、剣の先端にある亡きがらを、剣を振り乱暴に外す。 少年の回りには様々な死体があった、大地は紅く染まり、カラスが死体をついばんでいる。 その大地の中をまだ幼さの残る少年は、たった一人歩いていた……。 少年の双眸は大地を濡らした血の様に、紅く染まっていた。
/549ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1301人が本棚に入れています
本棚に追加