序章2

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狭い路地裏に少女がいた。 全身は血で真っ赤に染まっている。その血が乾いたのか、彼女の蒼い髪はパサパサだった。おまけに誰の物であるか分からない、肉片が服にこびりついている。彼女は生理的嫌悪感が湧いていたが、既に慣れたのか、拭う気はないようだ。 目の前にはさっきまで人間だった物。首から上は無く、その先は狭い路地裏に散乱していた。陽は高く、もうすぐ死体は腐るだろう。 少女は、元から感情等無かったかの様な無表情で、その場を足早に立ち去ろうとする。 しかし少女は足を止める。耳に、多数の足音が届くいたからだ。 少女の本能が何をすべきかを一瞬で弾き出す。 『敵』は近い。 そう思って、30秒経った時だろうか、目の前に屈強そうな者達が彼女の行く手を阻んだ。 刹那、少女は有無言わずその者達に疾走した。 閃光。響く断末魔。轟く爆音。 狭い路地裏は紅に染まる――
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