§一・出会い§

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少し、変わった家庭環境だけどね。でもアキラ君なら大丈夫。 草薙さんは笑いながら、俺の手を引いて病院を出た。 大事な物は大体察しがつくから、アパートからもう自分の家に運んであるよ。 両親の荷物もね。 でも、あのロボットがまだあって嬉しかったなぁ。 捜すの、ちょっと大変だったんだよ?新聞にも載らなかったしー裏で処理されたみたいだから。 遺体は、それぞれの肉親が持ち帰ったみたいだ。 つまり、アキラ君のおじいさんとか親戚の人。 アキラ君の事は、怪我から見てそのうち死ぬと思ったみたいだ。 おかげでこうやって居られるんだけど。 そのうち、必ずお墓参りさせてあげるからね・・・。 ずっと黙っている俺を気遣かって、ぎゅっと手を握り一方的に話しかける気持ちが嬉しくて、ちゃんと前を向けなかった。 涙を見られたく無くて。
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