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後部座席のドアが開かれ、草薙さんが降り、促されて自分も降りた。
「お帰りなさいませ、当主様。アキラ様が無事で何よりでございます」
ドアを開けた、20歳位の短くカットされた黒髪をワックスで逆立てた、いかにも日に焼けたスポーツ青年と言う印象の青いカッターシャツとジーンズ姿の青年が頭を下げる。
それと同時に玄関前に居た数十人の使用人が一斉に頭を下げた。
「如月、皆も後できちんと紹介するが今日から僕の養子となったアキラ君だ。よろしくね。」
瞳孔全開、びっくりマークが頭上で飛び交う自分の背中をそっと押し、草薙さんは優しく微笑んだ。
慌ててぺこりと頭を下げる。
「皆、基本的には優しいから大丈夫。さ、中に入ろう。疲れただろ?」
そう言って、屋敷の中に連れられ入ると、両親と暮らしていた2DKのアパートより広い和風の玄関。絵画や花が活けられた大きな壺にその先百メートルはあるだろう長い廊下。
・・・・・一般家庭じゃぁ、絶対無い!!
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