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しんとした病室の中で、少しの時間が過ぎた。
この人が悪い訳じゃ無い。
お父さんもお母さんもいつも言ってた。
悪いのは自分達。一緒になってはいけないのに、一緒になった。でも、お前は二人に望まれ産まれた子供だと微笑み抱きしめてくれた。
でも、もう居ない。
二度と、会えない。
ぬいぐるみに、ぽつりと涙が落ちて染みになる。
先に口を開いたのは草薙さんだった。
「ウチの子供にならないか?そうすれば、狙われる可能性も減るし。お父さんとの約束も果たしたいけど、僕はアキラ君を気に入ってるんだ。僕の子供になってくれたら嬉しい。」
5歳の子供が、選択する先は当然決まっていた。
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