第一章 過去を知る男

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銃声は港に響いた。人も少ない為、気付く者はいないようだが。 銃弾を受けた村上はその場に倒れた。即死したらしく、動かなかった。 醍醐はトランシーバーのスイッチを入れ、村上の死体を探った。 「どうだ?食事を続けているか?」 「ええ、食べてます。最後まで食べていいですか?」 醍醐の問いにまりさは答えるが、もう慣れていたようだ。 「もちろん。食べ終わったら連絡をくれ。」 醍醐は会話をしながら村上の財布を取り出し、身分を証明するような物を抜くと、自分のコートのポケットに入れた。 また元の場所にもどって尾行を続けよう…醍醐は村上の死体を一瞬見下ろすと、アタッシュケースを持って去っていった。
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