第一章 過去を知る男

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       2 事の発端は五日前の深夜に起きた。この日、仕事を終えた醍醐は事務所を出て自宅に車を走らせると、自宅の前に男が立っていた。男はこちらを見ると手を振った。 誰だ…ライトで照らされた男の顔を醍醐はうまく確認出来なかった。すると男は運転席に近より、正体を明らかにした。 醍醐が窓を降ろすと村上は口を開いた。 「久しぶりだな…元気だったか?」 村上は意味もなく笑っている。 「今さら何の用だ?」 「そんな強い言い方しなくてもいいだろ?俺達、仲間なんだから。」 醍醐が強く言っても、村上は不敵に笑いながら返す。 「ちょっと話したい事があってね。聞いてもらえますよね?探偵さん。」 「わかった。車停めるから待ってろ。」 村上の態度を不気味に思いながらも醍醐は奴のいう「話」を無視は出来なかった。 何を考えているんだ…醍醐は不安な感情を押さえながら、必死に思いを巡らせた。
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