1人が本棚に入れています
本棚に追加
健斗と知り合ったのは大学一年生の時。
たまたま美加と食堂に行き、自分のカレーを運んでいた健斗とぶつかってしまった。
美加の持っていた水の入ったグラスが健斗のカレーを直撃。
必死に謝る美加を責め立てるようなら、あたしも黙っちゃいなかったけど、そんな事健斗はしなくて、じぃっと美加を見て頬を赤らめていた。
一目でわかった。
これが人が恋に落ちた瞬間なんだと。
健斗が言った台詞は笑えた。
「俺、カレーは水っぽい方が好きなんだよね!!」
不味いに決まってるカレーを完食した健斗を見てあたしは悪い奴じゃないと感じた。
まさか、これが恋心になるなんて思っても見なかったけれど。
「結希ちゃん…私ね…」
美加に、健斗が好きかもと告げられ、笑って知ってたよと答えたらすごく驚いていた。
ほどなくして、
健斗が美加に告白した。
同時にあたしの恋は散ったけど、相手が美加なら本気で応援したいと思った。
二人が笑ってるなら、
あたしはそれでいい。
幸せでいてくれるなら、
あたしはそれで十分だから。
最初のコメントを投稿しよう!