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ロザリー嬢とドーリス嬢の二人と一緒に会場に来てみたら、いつものとは様子が違うことに気付いた。
机が何故か一直線に並んでいて、椅子が対面に等間隔に置いてある。
まだ準備中なのかしら?
パーティ会場のまん中に こんなに椅子と机があったら、邪魔で踊れないじゃないの。
普通パーティといったら、ダンスはつきものの筈だ。
「リディアさん、これでいいのよ。だって、これはお見合いパーティなんですもの」
あっけんからんとロザリー嬢は言った。
「お。お、お見合いパーティ?」
「堅苦しく考えないで。要は親とかを介さずにお友達をどんどん作れる新しいシステムなんだから」
そうは言ってもお見合いって。
ええーっ?
「大丈夫よ、ほんの5分ほどお話するだけなの」
なんだ、5分でいいの?
少々うろたえつつ、これも貴族の恋愛ゲームのひとつなのかしら?と、リディアは気を落ち着かせる。
それに、もし、素敵な人が声をかけてくれたら。そして、もし恋人ができたら、リディアを婚約者扱いしてからかってくるエドガーが、態度を改めてくれるかもしれない。
一時の恋人で遊ばれるなんて、嫌なのに。軽い気持ちで口説くなんて許せない。この気持ちをどうしてわかってくれないのか。
でも、ここにいるのがわかったら、ちょっとは妬いてくれるのかしら?
はっ。
何考えてるのかしら、私ったら。
そんなことある筈・・・ないのに。
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