プロローグ

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あなたは長い長い息をゆったりと吐き出し、静かに声を絞り出した。 「2人にね、聞いて欲しいことがあるの」 あなたの手が少し湿り、緊張が伝わってくる。 真剣な赴きに誘われ私の鼓動は少し加速した。 いつもの高めの笑い声とは異なり、落ち着きのある低音が響く。 横目でチラリとあなたを盗み見ると、凛とした表情で真っ直ぐ天井を見据えていた。 それは決意? あなたは意を結してゆっくりと口を開いた。 「私レズビアンなの」 レズビアン? 状況が掴めないでいる私を察しながらあなたは話続けた。 「いきなり言われてもわかんないよね」 私は静かに生唾を飲みあなたの次の言葉を待った。
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