~第一章~ アヴァロンの死神鴉

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「ハァ……ハァ……間に合った………ようだな……」 「し、師匠………!?」 水の槍はレイヴンに刺さっていた。 レイヴンは水の槍がクロウに放たれた刹那、靴型のウィガ、『パンドニア』を発動させた。 『パンドニア』の効果は光速移動。その効果でクロウの盾になった。 「ほう、師匠が弟子を庇うとは……計算違いだったが、先ずは1人………」 胸に刺さった水の槍は再び液体となり、地面に落ちる。 その瞬間、レイヴンは倒れた。 「師匠!!師匠!!」 クロウは急いで駆け寄る。 「……クロウ……今のお前では………彼奴には………勝てない………」 レイヴンの出血は激しい。 「師匠!!もう喋らないで下さい!!」 クロウの眼から涙が零れ落ちる。 「……クロウ……これを……」 レイヴンは『ヴェリト』と、『パンドニア』を手渡した。 「………此から……『パンドニア』を使って……1人で基地へ戻るんだ……」 「!!……そんな事…」 「黙れ!!」 「!」 「……今回のミッションは……『ヴェリト』を基地へ……持ち帰る事だ……」 「……………」 「お前には……まだ未来がある………だから……命を捨てるんじゃない………託すんだ……」 レイヴンの命の焔が、消えた。
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