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「ハア……ハアッ………」
クロウは全ての力を使ってビアントを斬った。
「グッ……ハッ………」
ビアントの出血は激しくなる。
「………師匠……敵は討てましたよ……」
クロウはもう動くことのない師匠を見た。
するとビアントは、
「………敵……だと?
フフフ……何を言っている……」
「……何をっ?」
ビアントは語り続ける。
「お前の師匠は、動けないお前を庇って死んだ……
つまり、お前の甘さが、お前の師匠を殺したんだよ!!」
「!、……くっ……」
(ククク…隙を見せたな!)
刹那、『ネクロシア』から、水の鞭が放たれた。
「なっ!?」
レイヴンに。
「くっ」
クロウは疲労により、動けない。
水の鞭はレイヴンの亡骸をビアントの前まで引っ張った。
「今回の俺のミッションは『アヴァロン』の戦士を殺すこと……
証拠として、この死体は貰っていくぜ……」
「や、止めろぉ!!」
「おっと♪」
ビアントは『ネクロシア』から巨大な水の球を射ち出した。
「グッ!?」
クロウはその水の球に閉じ込められた。
「お前もいずれ殺す……
だが、ここは退かせてもらう……
解放……『フレイズ』……」
ビアントの薬指の門を象った指輪が輝き、ビアントは姿を消した。
(ガァァッ……『ヴェリト』………)
<……absorb>
刹那、『ヴェリト』は水の球を吸収した。
周りの景色は戻っていた。
「……くっ……俺のせいで……師匠が……
…………師匠………師匠……………師匠ぉぉぉ!!」
クロウは叫んだ。
クロウは叫び続けた。
其処には、クロウの後悔が在った。
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