~第一章~ アヴァロンの死神鴉

18/18
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「ハア……ハアッ………」 クロウは全ての力を使ってビアントを斬った。 「グッ……ハッ………」 ビアントの出血は激しくなる。 「………師匠……敵は討てましたよ……」 クロウはもう動くことのない師匠を見た。 するとビアントは、 「………敵……だと? フフフ……何を言っている……」 「……何をっ?」 ビアントは語り続ける。 「お前の師匠は、動けないお前を庇って死んだ…… つまり、お前の甘さが、お前の師匠を殺したんだよ!!」 「!、……くっ……」 (ククク…隙を見せたな!) 刹那、『ネクロシア』から、水の鞭が放たれた。 「なっ!?」 レイヴンに。 「くっ」 クロウは疲労により、動けない。 水の鞭はレイヴンの亡骸をビアントの前まで引っ張った。 「今回の俺のミッションは『アヴァロン』の戦士を殺すこと…… 証拠として、この死体は貰っていくぜ……」 「や、止めろぉ!!」 「おっと♪」 ビアントは『ネクロシア』から巨大な水の球を射ち出した。 「グッ!?」 クロウはその水の球に閉じ込められた。 「お前もいずれ殺す…… だが、ここは退かせてもらう…… 解放……『フレイズ』……」 ビアントの薬指の門を象った指輪が輝き、ビアントは姿を消した。 (ガァァッ……『ヴェリト』………) <……absorb> 刹那、『ヴェリト』は水の球を吸収した。 周りの景色は戻っていた。 「……くっ……俺のせいで……師匠が…… …………師匠………師匠……………師匠ぉぉぉ!!」 クロウは叫んだ。 クロウは叫び続けた。 其処には、クロウの後悔が在った。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!