第1章 【東の鷲】

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ボクはいつものように通学に使う電車に乗っていた。 あの日が来るまでは… そう、2008年の夏はボクの人生を狂わせる分かれ道だった。 2008年7月8日早朝 広島県呉市 電車の中で誰かがボクを呼んでいたので後ろを振り向くと藤田がいた。 藤田:「よう! そういえば仙石は就職先を決めたのか?」 仙石:「まだ決めてないよ。 藤田は決めたのか?」 藤田:「そりゃ、国防軍に志願するさ。」 仙石:「両親になんか言われんかったか?」 藤田:「親父なんか関係ねぇよ。 軍に入ってなにが悪い? 国を守ってこそ軍人なんだぞ!」 仙石:「お前って奴は親不孝もんだな。」 藤田:「そんなん知った事か! そういや、国防軍がイラク戦争から本格的に撤退するみたいだな。」 仙石:「そうなん? まぁ、オレにはまったく興味ないがな。」 藤田:「お前も軍… ん?」 その時、電車内の自動ドア上部に取り付けられている液晶ディスプレイに臨時ニュースが流れ出した。 アナウンサー:「緊急ニュースをお伝えします! たった今入った情報では、日本民主主義人民共和国が我が日本連邦共和国に対して宣戦布告の通知を送ってきました。 それと同時に東日本軍が東経138度停戦ラインを超えて侵攻中との事です。 日本連邦軍は即座に防衛線の設置と即応部隊を展開し、東日本軍による侵攻を食い止め模様です! 引き続きニュース西日本が…」 いきなり液晶ディスプレイの画面が真っ暗になり、電車が停車する。
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