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仙石と加藤整備長は熊本飛行場の一番端っこにあるハンガーまで輸送車で向かった。
仙石:「そういえばなんでこの飛行隊に最新鋭戦闘機があるのですか?」
加藤:「それは… まぁ、避難じゃないのか? 詳しい事はオレにも分からん。」
仙石:「そ、そうなんですか?」
加藤:「同じ事を二回聞くつもりか?」
仙石:「失礼致しました。」
加藤:「まぁ、良いがな。 おっ! ハンガーに着いたぞ。」
仙石の目の前に良く磨きあげられた八式制空戦闘機『零(ゼロ)』が2機置いてあった。
仙石:「このゼロのパイロットは誰ですか?」
加藤:「一人はこの間の空襲で負傷して死んじまったよ… もう一人は第二兵舎にいる如月って奴だ。 まったく話さないから奇妙な奴だよ。 それとそいつはこの飛行隊の所属じゃないからな。」
仙石:「ドコの飛行隊ですか?」
加藤:「確か… 全滅した第7特別戦闘飛行隊って話だが… 詳しい事はオレも知らない…」
仙石:「そうですか。 ちなみにこのゼロはどのくらいスゴイんですか?」
加藤:「ゼロはMiG-29、MiG-31、Su-27Su-47などの東側戦闘機の奴等と対等に… いや、それ以上の戦闘能力を有している。」
仙石:「じゃあ、だいたいの東側戦闘機戦えるじゃないですか。」
加藤:「少し欠点があるがな…」
仙石:「それはなんですか?」
その時だった。
基地各所に設置されているスピーカーからけたたましいサイレン音が流れ出した。
加藤:「空襲警報だ。 出撃準備をするぞ。」
仙石:「は、はい! 初めて空に上がるので少し緊張してます。」
加藤:「マニュアル通りでは空中戦に通用しない。 頭ではなく、体で覚えろよ。 それと間違えても死ぬんじゃないぞ!! 初陣の時こそ一歩は身を引くものだ!」
仙石:「了解です。 自分の愛機に向かいます。」
加藤:「よし。 行って来い!」
仙石は加藤を背に愛機のある第1ハンガーに向かった。
第1ハンガーに行くと整備兵が各種ミサイルを搭載している最中であった。
仙石の愛機は旧式ではあるものの未だに現役機の『F-4EJファントム』であった。
仙石:「愛機に乗り込むけど、準備は良いな!?」
整備長:「準備完了してます! 第1滑走路から離陸態勢に入り、出撃してください。」
仙石:「了解。」
仙石の愛機が第1滑走路の端まで牽引車で誘導されていく。
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