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明日は話をしようと決め、自身も帰り支度をしていると、
「ねぇ、大丈夫?」
先程、迎えを知らせてくれた同僚が心配して声を掛けてくれた。
あの時の私は、トシオ君を見つめたまま動かず、真っ青になりながら脂汗を流して居たのだ。
私が同僚の立場なら同じ様に心配しただろう。
書類や食べかけのお菓子をバッグに詰めながら、
「んー…トシオ君にね、小指の爪塗られて焦っちゃったよ」
と、左手を見せながら答えた。
同僚は溜息を吐きながら、
「アンタも?」
と意外な事を言った。
私以外にも塗られた事のある人が居るの…?
ホッとした様な、更に不気味さが増した様な複雑な気持ちになる。
無言の私を余所に同僚は話を続けた。
トシオ君の母親は宗教にハマッているのだと言う。
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