2)甘い日々。

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登校すると親友が真っ先に駆け寄って来た。 「おはよー!昨日大変だったみたいじゃん!」 好奇心で疼いて居るのが伝わって来る。 「おはよ、トマト?あれマジ珍しかったべ?保存しとけよ写メ!」 あえて、昨夜送信したトマトの話をしてみた。 「はぁ!?トマトもビビッたけど違うから!今聞きたいのはマッポの話だし!」 「本気で怒んなし」 吹き出しながら、昨日の警官とのやり取りを聞かせた。 「心当たり無いの犯人?」 「父さん」 「はっ!?」 親友が見た事も無い位に驚いた。 「どんだけ目ぇ開いてんだよ!アイプチ大丈夫?てかビビり過ぎだから!」 また吹き出してしまった。 「アタシのアイプチなめんなし!いやいやいやいや!ビビるでしょうが普通!マリパパ出てっちゃったんでしょ?浮気相手と幸せだったら、そんな嫌がらせしなくない?」 (まぁ確かにね) 「んー、でもさぁ」 言い掛けた所でSHRのチャイムが鳴り響き、親友は「チャイムKYマジ死ね」と席に戻って行った。 担任は、暗にマリコの事案を指し、皆も防犯の意識を高めて…等と言って居た。 近々、警官を招いた全校集会を開き、護身術やらの講習が行われるらしい。 防犯ブザーも配られるとか。 (うわー、ダリィ…) ―ヴーヴーヴー 携帯のバイブが鳴る。 親友からのメールだ。 [講習ダルいねってかお前の所為じゃん] 本文は空白に、またトマトを添付して送信した。 十数秒後、離れた席から「ブッ」と吹き出す声が聞こえ、担任は「大事な話をしてるのに緊張感が無い」と呆れて居た。
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