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力の目覚め…
――日本
大地は割れ、天変地異が起きたかのように荒れ果てている。
空は鼠色に染まり、大地を穿つ電光が幾重にも伸びていた。
そう、まるで歴史の教科書で見たことのあるような荒んだ光景だった。
ここにかつての日本の面影などあるのだろうか?
「まだ足掻くか。 いい加減諦めたらどうだ? ゼルよ」
富士山頂にたたずむ、黒装束の男が言った。
「諦めたらここで終わってしまうだろうイルよ、オレは未来の希望にかける!
これで最後だ!
エフェクト・ライトニング!」
黒装束の男と向き合っている銀髪の男。
その身はボロボロだが、男の両眼は生気に満ち溢れていた。
男の手を纏う光が日本刀を形作った。
まごうことなき優しく暖かい光。
「まだそのような力が残っていたか、貴様もあの男のように私の力で消え去るがいい!
エフェクト・ダークネス!」
黒装束の男の両腕に漆黒の闇が渦巻く。
闇は一寸の光も許さず、歯向かうものを全て飲み込もうとしている。
銀髪の男に向け、それを放った。
「死ね!」
(最期の時、結局私にイルは止められなかった。せめて一太刀!)
「ハァーー!」
光と闇の激突。
この衝撃で日本最大の標高を誇る山は、跡形もなく消え去った。それから数時間後、日本が崩壊することとなる。
これが、全ての元凶
『始まりの日』
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