地獄の見学会

9/10
前へ
/50ページ
次へ
ベースを適当にグルッと回ったところで、「こうなったらおもっきし宣伝するぞー」とか思った、瞬間。 鳴り響く電話。 「クソォォォ―――っっっ!」 野球部のグラウンドから離れてディスプレイを確認すると、知らない番号。 「はい、もしもし……。楠しんじですけど……」 『あ、もしもし、先輩ッスか? 悪いッスね、宣伝中なのに』 あ、この声と話し方は。 「ひより? 何かあった?」 『もちろん! 大盛況ッスよ~。先輩のおかげッスね!』 「はっはっは」 まっさか~、という声は飲み込んでおいた。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加