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嫌な予感が走った。
気づかれないように小声で電話に出る。
目は中田を追いかけていた。
「仁から電話があったわ。危険だから中田を尾行するのはやめて」
やはり一葉は仁に見られていた。
「所長、お言葉ですが……今日はオフです。オフに私がどうしようと……!? 啓子が現れました!」
一葉は電話を切って路地裏を進む中田を走って追った。
中田の進む正面に黒い傘をさした人影が見えたのだ。
一葉は鼓動が高まるのを感じた。
雨は先ほどより激しくなっている。
黒い傘の人物は黒いポンチョを着ていた。
「中田! 危ないわ!」
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