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「お前は……探偵!?」
中田は一葉を認識すると反対側に駆け出した。
「待って!」
中田は黒い傘の人物にぶつかりそうになった。
黒いポンチョを着たその人物は傘を放り投げる。
その時になって中田はその顔が啓子だと気付いた。
「啓子ちゃん……」
呆気にとられた中田に向かって啓子は両手を高々と挙げた。
手にはナイフが握られている。
啓子はナイフを振り下ろした。
一葉は閉じた傘を突き出して啓子が振り下ろしたナイフを間一髪防ぐ。
相当の力が加わっていた。
「木山さ……ん」
啓子が一葉に気付いたようだった。
「逃げて!」
一葉は叫びながら、中田の前に出て啓子との間に入った。
その瞬間、一葉は下顎に強烈な打撃を受けた。
目の前が闇と化し、そのまま意識を失った。
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