プロローグ

3/3
前へ
/108ページ
次へ
「組の面子がかかっている。どんなやり方でもいいからレインマンを殺ってくれ。その後はこいつが引き受ける」 桐山は千田を顎で指しながら、厚めのクラフト紙で包まれた鉄の固まりをテーブルに出した。 星は黙って紙包みを受け取る。 その感触で拳銃と札束、そして星の必需品である大麻が包まれている事がわかった。 「雨の日だけ現れる殺人者……ですね。ナイフでめった裂きだとか。わかりました」 「それと……悪いが色んなルートに網は敷いている。成功報酬は仕留めた者だけに支払うので了承してくれ」 桐山はタバコの煙を深く吸い込んで肺を汚す感覚を楽しんだ。 「わかりました」 星は桐山に深々と頭を下げた。
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!

743人が本棚に入れています
本棚に追加