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桐山が銃口をダクトに向けた。
今や!
二人の注意が完全に上に向いた瞬間、おれは千田に踏み込んで襲いかかった。
奇襲に驚いた千田が引き金を引くより、おれが手首を押さえつける方が早かった。
正確には先に千田が引き金を引いたが、安全装置を外していなかったので弾丸は発射されなかったのだ。
その隙に中田は千田の脇をすり抜ける。
おれは素早く手首を捻ってハジキを落とすと隅に蹴り飛ばした。
桐山が銃口をおれに向けた時には、おれは千田の腕を後ろで捻上げて盾にする事が出来ていた。
「言うたはずやで。おれがハジキなんかびびるかと」
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