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桐山は視線をおれから平松さんに向けた。
「一葉は関係ないやろが!」
口の中を切ったので血の味がする。
「大ありさ。お前には感謝している。崎田を追い詰めてくれたから、おれにもチャンスが回って来たんだ。
でも、同時に親父(おや)っさんはお前に平松組を継がしたいとトチ狂い始めた。
組者でもないお前に組をまかせたいとな」
そんなつまらん事で一葉を巻き込んだやと!
「おれにそんな気はない! 平松さんにもそれは言うてる」
「だろうな。が、邪魔は邪魔だ! 早く降りて来やがれ! ネズミが!」
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