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千田の体は桐山と平松さんの間に入った。
おれは素早く背後の中田のハジキを掴んで逸らす。
中田が焦って引き金を引いた瞬間に、おれは右の拳を中田の面に叩き込んだ。
体勢が悪かったから浅く入ったものの、よろける中田からしっかりとハジキを奪った。
中田が声を上げてシャッターの所から逃げ出したので、追わずに振り返る。
白亜紀はパニックを起こした桐山の腕に飛びついて揉み合っていた。
しっかりと足で千田の顔面を蹴って追い討ちはかましてる。
平松さんは中田の流れ弾を食らったようで、その場に倒れていた。
しまった!
おれは駆け寄って平松さんを抱え起こす。
平松さんの左肩が真っ赤に染まっていた。
他に傷は見当たらない。
これやったら止血さえすれば多分命に別状はないやろ。
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