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ダクト出口は大きなファンで塞がれていた。
射し込む光を頼りにドライバーで何とか分解できたけど、その先にある金網は外からのネジで止まっていた。
せっかくここまで来たのに!
疲れたし、お腹が空いて声も出なかったけど、声を絞り出したら、目の前に突然白石所長が現れてびっくりした。
網の隙間からドライバーを手渡すと所長はすぐに金網を外してくれた。
「中田がまだ中にいます」
「そうね。でも彼は平松組の手先なの。そしてこの拉致には裏があるのよ」
所長は横にある樋を足に挟んだ状態で捕まったまま、私を支えてダクトから出してくれた。
私は所長の体を伝って樋を滑り下りる。
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