木山一葉

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私は愕然としてその場に転げるようにしてしゃがみ込んだ。 心が完全に折れていた。 こちらに向かって来る目黒に対して、抵抗する力もなかった。 ここまでか……。 はぁ……。 目黒は私の横をすり抜ける。 「ありがとう、木山さん」 私は耳を疑った。 その後、首に斬撃が来ると構えていたけど、いつまで待っても痛みはなかった。 聞こえたのは男の悲鳴が二つ。 恐る恐る振り返ると、中田とメルセデスの男が倒れていた。 首が無惨にも切り裂かれている。 そして目黒の姿は消えていた。 え? いったいどうして?
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