要らない子供

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小学校2年になり 春の遠足がありました… オヤツは1人300円まで って 帰りの会 で先生に言われた 私は おこずかいももらっていないし… 貯金も なかった… 家に帰り おばさんに お金を下さいとは言い出せず そのまま 外に出た オヤツを一緒に 買いに行く約束を 久保田さんとしていたから… 待ち合わせの場所に 行くと 赤いメガネをかけた 彼女が いた 「おまたせ…」 時間どうりに 行ったのに 何故か彼女は元気がなかった 泣いた様な風にもみえた… 「ドコに買いに行く?」 って聞くと… スーパーが安いから スーパーに行こう!! と言われ 土地勘のない私は 彼女の後ろに ついて行きました。 スーパーのお菓子売り場に着いても 彼女は中々お菓子を選ぼうとしなかった 「どして買い物しないの?」 って 聞くと… 「300円って言われても組み合わせがわからない…」 との事 私達は お菓子を 持ったり 置いたり 足し算と引き算をしながら 両手を使い 夢中になって 計算した 楽しかった… 小さな駄菓子が 幾つかあり かごを取りに レジの向こうに 移動した … 支払いが終わり 袋詰めする あのスペースに かごを 取るため 白いテーブルにお菓子を おくと 買い物カゴにスーパーのビニール袋が余っていた 彼女を見ると… 「お母さんに怒られて オヤツ代もらえなかったんだ…」 と 言い出した。 私はコクンと うなずくと その サラの買い物袋に 選んだお菓子をいれた 「久保ちゃんもいれちゃいなよ!」 すると彼女は 何のためらいもなく 私の持っている 袋に お菓子をいれた… 2人で 足早に スーパーを後にした… 初めての万引きでした 悪い事を してしまった! というより 2人だけの秘密で 彼女と私は特別 親密になった気がした! 親友が 出来た!
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