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この手で未来を
掴めると信じていた
しかし、それは叶わずに
僕の指の間をすり抜けた
最早、僕には為す術が何もなかった
あの時、君を失った絶望と悲しみ
それらを再び味わったことで
僕はまるで魂が抜けた骸のようになっていた
呼吸はしている
だけど死んでいる
体は生きてるのに心が死んでいる
それは、もう生きているなんて云えなかった
そんな僕の耳に届いた
“声なき声”
その声は二度と聞こえないはずの
愛しい君の声だった
抜け殻になっていた僕の心に君の言葉が谺(こだま)した
我に返った僕は
闇に浮かぶ満月に誓う
二度と還ることのない
君の為に生き
生命(いのち)の灯火が尽きたときに
天(そら)にいる君の元に旅立つ
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