5人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふんふんふ~ん」
気分よさ気に鼻歌を歌いながら、純白のワンピースをふわふわ揺らしながら少女が木で編んだ籠を両手で持って、太陽の光が木々の隙間から覗かせている森の中を歩いている。
背中まで伸びた栗色で少し巻いている髪に、ポワンと柔らかそうな少し垂れ目な彼女は穏やかな雰囲気を醸し出していた。
彼女の向かう先には彼女しか知らない秘密の場所があった。
あの秘密の場所までもう少し……
村のそばにある、木や草が無差別に生い茂った森を、背の高い草を掻き分けながら進んでいく。
すると、少し先に開けた場所が見えてきたようだ。
少女は、パァッと太陽のように明るい笑顔になると、少し小走りで向かった。
最初のコメントを投稿しよう!