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『・・あの女は恋の面接官なんだ・・』
『はぁ!?』
確かに彼女が面接してくれたけど、特に変わった所はなかった。
『何だよ恋の面接官って?』
すると高志は急に真剣な声で話し出した。高志が話した内容はこうである。
彼女は社員兼経理をしているらしい。そんな彼女は外見も中身も完璧で男性社員から絶大な人気があり、彼女目当ての常連客も多数いるらしい。
ここまでならどこの店にもいる可愛くてモテる女の子だ。
しかしここからが普通と違った。
当然モテる彼女は告白もされるが、その告白の対応がどうやら面接じみているらしい。どの様に受け答えしてるのかはわからないが、今まで彼女の恋の面接に合格した男はいないらしい。要するに今まで告白した男はすべて駄目だったってことだろ。
男の告白に対して面接で判断するなんて俄かには信じられない。この前見たときはそんな風には見えなかったけどなぁ。
でも高志の声は真剣だった。
続けてこんなことも言っていた。
『噂によるとこの間辞めた男性社員も彼女に振られたショックで辞めちまったらしいぜ!』
『マジかよ・・・』
『まぁ告白した相手が彼女だからなぁ、それに店の経理も担当してちゃ気まずいだろうしな』
確かにそれじゃ続けられなくなる理由もわかる。振られたあげく仕事も失うなんて可哀相だな・・・
『真人、お前も気をつけろよ~、まぁお前の場合お店の方が受かるかどうか心配だけどな』
確かにそうだ。今は他人を可哀相なんて思ってる場合ではない。
『じゃあそろそろ休憩終わりだから仕事に戻るな』
そう言って高志は通話を切った。
何が恋の面接官だよ、バカバカしい。
お店からは未だに連絡は無い・・・
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