幼い頃の思い出

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俺は事務所を出ると、チーちゃんの元へ向かった。 ちょうど休憩の時間なのか、休憩室の前でチーちゃんを見付けた。 僕は思いきって声をかけた。 『田島さん、あの~今日仕事終わったら少しだけお時間頂けませんか?』 『え・・・!?』 チーちゃんは驚いたと同時に不信な顔で俺を見た。 俺はなるべく平然をよそおいながら高鳴る鼓動と焦りを必死に抑えていた。 『いや、あのさ・・・俺まだ仕事始めたばかりでさ、だからみんなに迷惑かけらんねーから、それで色々教えてもらおうと思って』 俺は必死になって思いつくままに話した。 『わかりました。仕事のことなら少しだけならいいですよ』 なんとかチーちゃんを説得することに成功した。 『じゃあ仕事終わったらここでまってますから』 そう言い残して彼女はホールの方へ戻って行った。 正直何て言ってチーちゃんの心を開いてあげればいいのか解らない。 でもおばさんと約束したし、俺自身チーちゃんを守り支えになりたい! 何より 俺のことを思い出してほしかった・・・ 幼い頃に約束したあの日のことも。 俺は仕事が終わるまでチーちゃんのことばかり考えてた。 時間が過ぎるのはあっという間だった。 俺は高志に用事があると伝えて先に帰ってもらった。 お客もいない、従業員もみんな帰り、静まったホールを見渡した。 僕は大きく深呼吸して彼女が待つ休憩室の前へむかった。
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