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『チー・・・ちゃん?それって私が幼い頃みんなから呼ばれてた名前・・・』
彼女は何か思い出しそうだった。
『・・・あの日のこと覚えてるか?・・・』
”幼いあの日”
『マー君ほんとにいっちゃうの?』
『チー泣くなよ!泣いたらお嫁にしてやんないぞ!』
『だってもう会えないかもしれなし・・・』
『大丈夫だよ!大きくなったら必ずチーを迎えにくるからな!』
『ぜったいだよ?約束だよ?』
『ああ!けど大きくなって格好良くなったら俺って気づかないかもな!』
『それじゃだめじゃ~ん』
『じゃあ合い言葉を決めておこう』
『合い言葉?』
『そう。この場合、俺はいまから”いってきます”だろ?だからチーは”いってらっしゃい”だよ。じゃあ帰ってきた時は何て言うか知ってるか?それが合い言葉だよ』
『何言ってるか全然わかんないよ~』
『あはは、大きくなったらわかるよ!じゃあそろそろ時間だからいくな。いってきます!』
『マー君、私のことどれぐらい好き?』
『う~ん・・・どれぐらいって言われてもわかんねーよ、チーを迎えにくる時までに考えとくよ!』
『わかった・・・。いってらっしゃい。ずっとまってるから・・・』
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